2014年8月24日(日)
今回は無謀にも一泊二日のロングツーリング。行先は宮城から岩手へかけて三陸海岸を北上する予定です。現在の被災地を自分の目で確かめに行ってきます。 同行するのはいつものブラックバード古橋さんです。
いきなり集合場所を間違えて出発が遅れたものの、栃木県の道路事情の良さに助けられて、あっというまに矢板ICまでたどり着き、長い長い高速道路での移動が始まったのでした。
この日の東日本は35度を超える猛暑日で、行けども行けども暑いばかり。サービスエリアにたどり着くたび水分補給が必要です。仙台南ICから仙台南部道路に分岐し、仙台空港ICでやっと高速を降りることができました。
初日の午前中だけでフラフラになりながらも、何とか仙台空港に到着した二人です。さすがに空港の中はエアコンが効いていて涼し~!建物もきれいだし、清潔感があります。空港の1階ロビーには、津波の被害を受けたときの様子がパネル展示してありました。
そう、この様子は家のテレビで観ていました。滑走路に津波が押し寄せる様子も覚えています。それが、いま立っているこの場所も、現在はきれいになって元通り使われています。ここまでのご苦労はいかほどだったか、我々には推し量ることもできません。ただ感服するばかりです。
空港で昼食を済ませたあとは、仙台東部道路を経由して三陸自動車道の桃生津山ICまで行き、国道45号線・東浜街道に合流します。道の駅津山で休憩して南三陸町へとバイクを走らせます。
「ここから過去の津波到達点」と書かれた看板を始めて見ました。 書かれている文言もショッキングですが、その看板を過ぎると現れる光景に目を奪われました。いきなり荒涼たる景色が広がるのです。
BRTの駅があります。仮設で営業中のセブンイレブンがあります。壊れて傾いたままの水門があります。他には何もありません。それ以外は一面が荒野です。初めて目の当たりにした被災地の風景を現実のものと受け止めようとしますが、これまでの常識外ばかりの光景に思考が混乱します。
それは遠くからでもすぐに分かりました。荒野にぽつんと立っています。それだけが周りから取り残されたようでもあり、自然の力に打ちひしがれて力なく佇んでいるようでもあります。
南三陸町の防災対策庁舎跡です。
「うそだろ?」「どうして?」
文字通り、完膚なきまで打ちのめされた文明の象徴を前にして、常識の範囲内でしか回転できない我が思考回路はこんな言葉しか思い付きません。そして、その瞬間、その場に居合わせた人たちに思いを馳せると目頭が熱くなりました。
この後は国道398号線を石巻まで南下して、今日の宿泊地に向かいます。
ところが、金毘羅崎を過ぎたあたりで雨が降り始め、瞬く間にどしゃ降りになってしまいました。カッパを通しても痛みを感じるほどの雨の中を1時間ほど走行し、
菊地旅館にたどり着きました。
旅館には屋根付き駐車場がなかったものの、隣の方のご厚意で、使わなくなった有料駐車場の屋根の下にバイクを留めることができました。
旅館のご主人に出迎えてもらい、すぐに風呂に入ります。夕食の後は、近くにあった居酒屋「五右衛門」で軽くやって早目に就寝しました。
2日目へ続く
すべての写真は
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本日の走行ルート
https://mapsengine.google.com/map/edit?mid=zzmebsNN0myo.kyxtn4gWuMHk